ピアニスト 山田茉莉子さん

もどる    新三河タイムスより

本物の音色提供し続けたい

 

――ピアノとの出会いから。

 「小学校入学と同時に始めました。でも、当時は天文に惹かれ、近所の友達とよくプラネタリウムを観ていました。

実際に本格的にピアノに取り組むようになったのは高校生になってからで、哲学や心理学に傾倒していた私は、

音楽は人の心理や心情を理解して伝えなければならない、また自らが本当に理解してこそ伝えられるものだと考え、

心の底から解るまでやろうと決意するに至りました」

 

――心の底から之把握となると、さまざまな困難があったのでは?

 「ええ。それにはそれだけの技術が必要だと悟りました。まず気づいたことは、日本陣の技術と外国の著名人のそれとの格差です。

日本陣は外国のいい面をすぐに日本的に変えて崩してしまう。それでは吸収するに意味がない。それで外国に発つ決心をしました」

 

Mariko Profile

 

日本人が西洋音楽を演奏することの

意味を求めて世界中の名ピアニスト

達の門を叩く。

 

そこでの経験から、名人に共通する

土台はベルカントであると確信。

 

心と体と音楽を一致させ表現する

ためのメソードを確立。

 

 

――外国で想いは遂げられましたか?

 「はい。ロシア総合芸術大の教授に出会い、彼のことは出清新の理解と肉体の理解が合致とました。

教授は人間工学的に分析して日本人と外国人の奏法の違いを理論づけています。

教授は双方の違いは体の使い方だと仰いました。それを埋めたのがベルカント奏法です」

 

――そのベルカント奏法を具体的に。

 「椅子を低くして掛けます。重心を低くすることでクリアな音が出せます。

鍵盤は叩かず、内側に引き込むような感じで弾きます。

これがベルカント奏法で、最も楽に表現できる手段なのです」

 

――いま開いている教室でもその奏法を?

 「自分本来の音がそのまま出せるベルカント奏法ですから、教室でもやはり、生徒に教えています」

 

 ――ベルカント奏法と出会えたことのほかに、ピアノを通じて味わえた喜びは?

 「人との繋がり。さまざまな人たちとふれあえました。

以前、アンサンブルISSEYで某病院内で演奏した際、

看護婦に付き添われ点滴を受けた患者さんが

私たちの演奏を聴き想い出の曲を聴くことが出来て良かった

と涙して話してくれたこともありました」

 

 ――今後の理想的な活動を。また夢を。

 「音楽は心の食べ物。私たちはフルコースの料理は

提供できませんが、心の栄養になるものは与えられると思います。

もっと人の心を癒せる、本物の音を提供できる演奏者になりたい。

想い続けていれば、夢は必ず達成できるものと信じています」