PROFILE
名古屋芸術大学音楽学部音楽教育学科卒業。
ピアノ講師として、25年間指導し多くの生徒を育てる。
小学校の音楽専科教員を務め、音楽教育の研究・知識を磨く。
また、より効果的な音楽指導法を模索するために、ロバート・ペースメソード、
琴、電子オルガン、リズム教育など、多面的な研鑽を積む。
これまでに「サロンコンサート」「読み語りとピアノの夕べ」
「こどものためのクリスマスコンサート」など出演、コーラスの伴奏や指揮などでも活躍する。
先生へインタビュー
Q:子供たちが楽しく上達する工夫をお聞かせください
A:導入期の生徒さんの場合、音感やリズム感など基礎となる色々な能力を育むには、音楽を体で感じさせることが大切です。
絵本を読んでそこに出てくる効果音を生徒さんに担当してもらうとか、きらきらぼしのさいごの飾りの音を踊りながら
ミュージックベルでキランと振ってもらうとか、流れるような曲はオーガンジーの布を振りながら歌うなど
体の感覚を総動員して表現の面白さに気付かせるよう、心がけています。
少し大きくなった子には、演奏という自己表現を通して考え成長してもらう為に、曲を弾く時にこの曲はどんな感じで弾いたらいいのか
、ここはこう弾こう、など考えて弾いてもらうように気をつけています。
例えば、ある曲の長調の部分は何色の感じ?どこから短調になってそれは何色になった?と楽譜に色をぬったりします
。そして曲のイメージに合わせてどう弾くのか考えます。
また1回目と2回目で異なる雰囲気の伴奏をつけて連弾するなど多様な発想で表現できることに気付かせます。
また上達の過程で、生徒さんが難しい、できない、と緊張するのではなく、楽しかった、と思ってもらえるような雰囲気作りにも工夫を凝らしています。
Q:今までのレッスンの中で印象に残っていることはありますか?
A:ある生徒が、お父様のお誕生日が近いとのことだったので、こっそりとレッスンでHappy Birthdayの曲を練習して、その子の妹さんは曲に合わせて歌をうたい、
お誕生日会のサプライズでお父様に曲のプレゼントをしたら、ものすごく喜ばれたそうです。
それから毎年、家族の誕生日、おひな祭り、クリスマスなど、ケーキを食べる前にピアノの演奏をすることになりました。
初めは片手で、次の年は両手になり、毎年アレンジが難しくなっていきます。音楽が家族の中にあふれていて、とても素敵だなあと思いました。
そして、「私、ピアノ習っていて良かった」という言葉を聞いた時は本当にうれしくなりました。
Q:感動した曲は、どんな曲ですか?
A:小学生の頃初めてショパンの幻想即興曲を聴いた時すごく衝撃を受けました。すぐに買った楽譜は音符で真っ黒に見えました。
片手ずつ練習しましたが両手になると難しく、時々練習してはあきらめ、また弾いては放置という感じでした。
でも何年か経ってある日突然、指が勝手に弾いてくれました。今弾けたよね、私…。と、自分でびっくりでした。
それからしっかり練習して全部弾けた時はとても嬉しかったのを覚えています。
Q:音楽を続けていて よかったと思ったことは何ですか?
A:私が子供の頃、いやなことがあった時にピアノを弾くと、見事に音に出ていたそうです。
そして、しばらくすると音や弾き方がやわらかくなってくると、隣の部屋にいる私の母は、"あ、機嫌がなおったな"と思ったそうです。
演奏することで人は自分と向き合っているのでしょうね。
大人になってからも気分のいい時はもちろんですが、少し落ち込んだ時に弾くと、いつの間にか集中していて、しばらくすると、気分がスッキリしています。
そんな時、音楽があってよかった、続けていてよかった、と思います。
Q:これから受け持つ生徒さんへのメッセージ
A: 自分が音楽を楽しむことで、Happyなオーラを出して、周りの人もそれに包まれて楽しい気分になれる、
そんな素敵な音楽の力を身につけられるように楽しくレッスンしていきたいと思っています。
2013.05.12更新