【 専門課程 主任 】
山 田 茉 莉 子 Mariko Yamada
ベルカント ピアノ教室
★本科および専攻科・研究科担当、★月・水・木・土・日の担当です
1963年生まれ、名古屋芸術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻卒業、同大学研究科修了。
パリ・エコール・ノルマル音楽院、モスクワ音楽院にて研鑽を積む。
ジョイントリサイタル(名古屋)、デュオリサイタル(豊川)をはじめ、NTT演奏家派遣事業、
豊田市コンサートホール演奏家派遣事業にて東海各地の演奏会に出演。
パリ・コルトーザールでのコンサート、ウィーンでチャリティーコンサート、
東京にて「バッハの夕べ」、豊田市主催「合唱組曲"鈴木正三物語"」、豊田市美術館コンサート、
岡崎と豊田の音楽家協会定期演奏会等に出演。
毎年多数のソロ、室内楽、声楽、ミュージカルや劇の伴奏、作品発表委託演奏など幅広い分野で演奏活動をしている。
ピアノにおけるベルカント奏法をジェルメーヌ・ムニエ、ナウム・シュタルクマン、エレナ・クズネツォーヴァの各氏に師事。
音楽学・音楽美学を笠原 潔氏に師事。
音楽学的見地から「ピアノにおけるベルカントのメソード」を開発。
多くの教室でピアノ指導に取り入れられている。
岡崎音楽家協会、豊田音楽家協会各会員、アンサンブルIseeyピアニスト、演奏グループ「響きの会」主宰、
豊田ミュージックアカデミーピアノ科主任講師、その門下からは演奏家・音大講師・音楽教諭など多数の専門家が育っている。
2023年12月13日 更新
ピアノにおけるベルカントについて
山田先生は気さくな人柄と乗せ上手な話しで
楽しくレッスンを展開しています。
知らず知らずの内にみんな名演奏になっています。
遠方から1時間以上かけて通われる生徒さんも
少なくありません。
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先生へインタビューです。
Q:レッスンの特徴は?
A:音楽は心の成長を促し、人生を豊かにしてくれます。
音楽を通じて知性と感性を磨き、魅力的な生き方を提案することが、
私の役目と考えています。そのための色々な工夫をレッスンの中で凝らしています。
二つめは、独自のメソードにより、上達が早いことです。
合理的で効果的な練習は、音楽をさらに楽しむ余裕を生みます。
三つめは音楽学、美学、哲学など人文学的視点からも考慮した最適な助言を
個々の生徒さんに合わせて提供している点です。
演奏というのは、表現の前に解釈が、解釈の前に理解が必要です。そのため、
教える側には、幅広い文化的芸術的視点や、多角的な知識が求められます。
その理解を表現に繋げる具体的な方法を伝授しているのが、
私のレッスンの特徴と思っています。
弾けるようになる効果的な方法が満載なので、
皆さん手応えを感じてくれているのではないでしょうか。
演奏の喜びイコール自己実現、という幸福を実感した方は
多分生涯ピアノを弾き続けるでしょうし、そういう自分の力で音楽を考え
弾ける人にしてあげる事が私の役目と考えています。
Q:レッスンで心がけている事は?
A:生徒さんが「理解して弾いているか」「曲に表現されていることを感じとっているか」を
常に見守っています。
よく「楽しく弾きましょう」と言いますが、演奏が楽しいってどういうことでしょうか?
「この曲のこういうところがいいね」「ちょっと工夫したらいい曲になったよ」と
体で感じられる事だと思います。
そういう「喜びを感じて弾ける」にはその年齢に応じた「わかった!」が大事です。
楽譜通り鍵盤で音を探って出す、という様なレッスンでは本当の楽しさは味わえないし、
習った事もすぐ忘れてしまいます。
私は音楽を習う意味の一つは音楽を通じて、創意工夫、発見、適切な努力による
自己成長だと思うし、音楽を一生の友にして欲しいので、ひとりひとりの持ち味に応じた
「わかって弾いている」ところまで導いています。
Q:ピアノの先生の研修コースについて
A:教師として活躍されている方は、学生時代とは異なる課題を感じるものです。
頭では解っていても理想の演奏にならないとか、技術・音色・表現などの疑問について
答えが欲しいとか、生徒さんを上達させる効果的な方法を知りたいとか・・・。
そういった方々に、理想の実現に役立つ根本的な対策を提供しています。
先生方それぞれの音楽観を大切にするために、私の考えではなく、世界中から
仕入れて来た根拠のはっきりしている真実だけをお伝えするよう、心がけています。
そのため、他のコースより、レクチャー部分が多くなっています。
人間の進歩に終わりはありませんし、音楽を愛していれば探求への興味は尽きません。
これまでに、100人以上の熱意ある先生方にお伝えできたことを光栄に思っています。
現在も中部一円から、約20人の先生方が定期的に来られています。
Q:ベルカント・メソードについて
A:モスクワ音楽院にて、歴史の中で熟成された伝統奏法である、ネイガウス派のシコーラを学んだ時、
ショパンから直系四代目であるピアノ科主任教授より、これを日本に伝えるようにことづかり、
歴史的無形文化遺産の継承者として目覚めました。
そこにウィーンやパリで学んだことを加えて、西洋音楽を理解し習得する上で
全ての音楽に共通な、土台となるものを「ベルカント・メソード」として集大成し、
過去の偉大な芸術家たちの遺産として保存を試みました。
日本には伝わっていない根源的な知識を多く含みますので、ピアノ指導者には、
ぜひ知っていていただきたいことです。
Q:音楽をやっていて、良かったと思うことは?
A:一つは仲間との共感。仲間とは音楽を愛し集まってくれた全ての人。
演奏を聴いてくれる人、習ってくれる人と音楽を通じて気持ちが一つになった時です。
二つめは音楽を通じて「人間って何か、成長するってどういう事か、存在って何か」など考えが深まったことです。
尊敬するネイガウス教授の有名な言葉に
「音楽家は宇宙の果てから薔薇の蕾の中まで、全てを理解する必要がある」というのがありますが、まさにそれが学べました。
三つめは感謝です。演奏会が終わるたびに、いつも心から
「みんなありがとう〜」と叫びたくなります。
Q:生徒さんに一言。
A:音楽の道には終わりがありません。実り多い楽しい道中をみんなで楽しく行きましょう。
お役に立てるよう、力一杯がんばります。