豊田ミュージックアカデミー 研修生 研修課程

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「ベルカントを実現するための奏法」 習得手順

 

第 一 課 程 (楽器と奏者の一体感を作る)

日本と外国との文化的身体的差異のギャップを埋める ・息を使う楽器と同じ原理で音が出せる体の使い方を覚え、自分の声として音を扱えるようにする ・ピアノにおけるコルポとは ・音楽の「下書き」あるいは.デッサンとは ・息としての力を「溜める」「集める」事と「脱力」の関係 ・音の聞き方と身体感覚 なとを曲の中で実際に使えるようにしていきます

 

 

第 二 課 程 (音楽と楽器と奏者の3つ一体感を取る)

音楽への呼吸の通し方(息の通った音楽とは) ・作曲家別の音色と音楽の作り方 ・腕と手の甲の脱力と、力との関係 ・色々なタッチ ・フレーズ、形式のベルカントな処理 ・曲の中での息の配分 ・時代別、国別の表現の差異をつかむ・演奏におけるラグランジュポイントとは

 

 

第 三 課 程 (技術と心の一致)

各国伝統の口伝の技を覚え、それを自由に使って多彩な表現を ・一つ一つの技を使いこなすことでやりたい表現が可能になり、演奏の幅が広がる ・ロシアのシコーラを中心に指で音楽を言葉のようにしゃべる

 

 

第 四 課 程

息としての力を使い、最小の力で最大の効果の出る力配分を各人の利点を活かしながら様々なタイプの曲で応用力をつける

 

 

第 五 課 程

各人が全体的バランスの中でベストな状態に自分で修正する方法。また演奏会前後など、必要に応じて調整します。

 

 

第 六 課 程 (ベルカント・メソードを使った指導法の伝授)

どの段階で何を生徒に伝えると指導効果が高くなるか、また演奏中、生徒の体と頭の中で何が起きているかを把握する。

指導手順とこのメソード全体を指導者がどこまで把握しているかが大事です。

今やっている曲だけではなく、長い目で見た生徒の成長過程の中で、このメソードを利用する、その姿勢が指導力につながります。

 

 

第 七 課 程 以上

その人の持つすべてが、トータルにバランスよく演奏に反映するために必要なこと、感性、技術、知識など、あらゆる角度から音楽への問いかけをして、自分の言葉として演奏する姿勢を学びます。

この姿勢は演奏者である以上、生涯必要なことです。

 

 

レッスンの進め方

  西洋音楽は全てベルカントに則って作曲されている為、ベルカントな体で弾く事を第一に考えます。

 

1.音の出し方

まず弾く時の体の使い方を、息を使う楽器と同じ回路で音を出せるようにして、次にその曲が求める音色になるよう体全体の力配分から、調整します。

その過程で、「真の脱力とはどういう状態か」も解決します。

それを超えて古典は古典の音、ロマン派はロマン派の音、もっと上達するとモーツァルトはモーツァルト、ショパンはショパンの音、と弾き分けることが出来ます。

 

 

2.構造

編物に喩えると、音は糸で、その糸で曲を編むのが譜読みにあたります。

この譜読みもたとえば同じ三拍子でも時代や国によってリズムの流れが違うので、その違いが確実に出せる方法を学びます。

リズム感がその曲にふさわしくなるだけで、見違えるほど美しく聴こえます。

 

 

3.表現

曲が求めている表現を楽譜から読み取って、仕上げていきます。

すでに息使いが反映する回路を体の中に作ってしまっていますから、この段階ではまるで、自分の声で歌ったりしゃべっている様な錯覚がするほど、

自分の言葉として音楽を表現する状態になっています。

息の通った生きた演奏で練習でき、仕上がるほどに曲との一体感が深まります。

また、「言葉のしゃべり方」ともいうべき実際の表現法も国や時代別、作曲者別のはっきりとした違いを出すノウハウもここでは集めています。

 

 

このように、音、構造、表現、と段階に分けて練習するので、どの部分を補うべきかすぐ解り、合理的に短期で仕上がっていきます。

譜読みの段階から音楽的に、という事が可能なのはレベルの高い人のこと、最初は手順を分けたほうが上達しやすく、問題点もはっきりします。

まるで料理の時、材料を揃えてから仕込んで、味付けと盛り付けは後、というのに似ています。

 

 

山田 茉莉子